事業承継者である子供が相続により自社株を取得する際に、事業用資産の課税価額の特例という制度で課税価額の減額があると聞きました。どのような制度なのでしょうか?
事業承継を行う場合に自社株式の評価額が高額となるとそれに対する相続税の負担が大きくなります。それが、 円滑な事業承継の妨げになると考えられます。つまり、規模の大きなオーナー企業の事業承継は経営に影響を与え、その結果、地域経済への影響(雇用の確保や 税負担)があると考えられるため、特定同族会社株式等に該当するものについては、課税価格を減額する特例があります。
「特定同族会社株式等の課税価額の特例」とは次のような制度です。
相続等により特定同族会社株式等を取得した場合で、相続開始日から相続税の申告期限まで引き続き、その株式等を有している場合は、その株式等の課税価額を10%減額されます。
評価減の対象となる金額は特定同族会社株式等のうち10億円以下の部分となります。 つまり、10億円以下の部分に10%の減額がされるため、最大で1億円の課税価額の減額が出来る制度です。
また、特定同族会社株式等とは、亡くなった方(被相続人)が相続開始直前に有していた次の要件を満たす非上場の株式等のうち、発行済株式等の総数の2/3以下に相当する部分をいいます。
- 相続開始直前に被相続人とその親族の有していた株式等の合計が当該法人の発行済株式等の50%超であること
- この適用を受ける非上場株式等の発行法人の発行済株式総数の相続時の時価総額が20億円未満であること
また、相続により特定同族会社株式等を取得した者は次の要件を満たすことが必要です。
- 被相続人の親族であり、相続税の申告期限を経過するときにおいて当該法人の役員等の地位を有していること
- 相続開始のときにおいてその法人の発行済株式総数等の5%以上を有していること
つまり、亡くなった前オーナーが保有していた株式を事業を承継する後継者が相続等により取得した場合、一定の要件を満たしていれば、この特例が適用できます。
また、相続時精算課税制度(Q××参照)により生前に贈与した株式等で相続時に相続財産に加算され相続税が計算される場合について、一定の要件を満たしていれば贈与された特定同族会社株式等にもこの制度が適用されます。
